海津若菜 – TRIGGER

海津若菜

本業は、IT系のサポートセンター業務。製品の様々な問い合わせや障害をハンドリングする。
彼女は人から頼られ、必要とされる存在をひたすら目指す。その想いはとても強い。

みんなのお母さんになりたい

image

やってみます、頑張ります

彼女は本業とは別にチャレンジしていることがある。

それはホームページ作成だ。
このTRIGGERも彼女が作成を担当をしている。

ホームページ作成は全くの未経験。
様々な要望に応えられるよう、日々奮闘する。

彼女は無茶な要求に対しても、すぐに断ることをしない。
できないことも、できないとは言わない。

「やってみます、頑張ります」
それが彼女の口癖だ。

彼女が頑張る理由は、ホームページ作成が好きだから。

もちろん、そのことは大きい。

しかし、彼女の中ではもっと大きな理由がある。

貢献したい、認めてもらいたい。
自分が必要な存在だと思ってほしい。

みんなに頼ってもらいたい。

彼女はその存在意義を得るために、
今日も必死でホームページ作成に向き合っている。

彼女の中ではそれが全てだった。

image

憧れの人たちと

彼女がこのTRIGGERのプロジェクトメンバーになったのは、
キャプテンの依田氏からの誘いがあったからだった。

プロジェクトメンバーとはそれぞれ個人的に
付き合いがある人たちだった。

自分はいつも周りの目を必要以上に気にしてしまう。

けど、彼らは違う。

みんな自分を持っていて、意外と頑固で我が強い。
それなのに周りからも好かれているメンバーだった。

自分には無いものをたくさん持っている。
彼女は、そんなみんなに憧れを抱いていたという。

ある日のことだった。

一緒にプロジェクトをやらないかな?

だから、そんな彼らから誘いを受けた時、
とてつもなく嬉しかったという。

憧れのみんなが自分という存在を必要としてくれて、
同じ時間をこれからは共有することができる。

彼女はすぐにメンバーになることを了承した。

プロジェクトのミーティングは楽しかった。

自分にはない意見や視点を持っていて、
自身が考えつかないことをポンポンと意見を交わす。

新しい考え方や発言に刺激を受けながら、
自分の大好きな人たちと一緒にいれる状況が嬉しかった。

しかし、次第に彼女はとある想いを抱くようになる。

自分は本当にここにいてもいいのだろうか?
もっとみんなに頼られなくてはならない。

そうしないと、みんなの側にいちゃいけないんだ。

そんな想いだった。

image

誰もいない

自分はみんなから頼られる存在にならないといけない。

彼女のそんな性格は、今に始まったことではなかった。
昔からそんな想いを抱いて生きてきた。

それは、彼女の家庭環境が大きく影響している。

彼女には2人の兄がいた。
自由に生きる二人の兄。

周りからも慕われている自慢の兄だった。

しかし、彼女が小学生の時だった。

兄が両方とも登校拒否になったという。

6つ離れた一番上の兄は学校に行かず、毎日バイトを繰り返し、
3つ離れた二番目の兄は毎日のようにテレビゲームを繰り返す。

両親ともに働いていて、仕事の疲れと二人の兄の登校拒否が原因で
ストレスを感じていたことは、幼い彼女にもわかったという。

だから、彼女はそんな時にどうしても家族には
打ち明けられないことがあった。

それは、友達から仲間外れにされていたこと。
辛くて学校に行きたくないこともたくさんあった。

しかし、彼女はそのことを言い出すことができなかった。

ピリピリとした家庭状況。
家族の悩みは2人の兄の不登校。

そんな中で自分も休みたいと言いだしたら、
家族に迷惑をかけてしまうかもしれない。

私の悩みが家族の悩みの一つになってはいけない。
自分は辛くても頑張って学校に通う。

自分が家族を頼ってはダメだ。
私が家族の一員でいるためには、頑張らないといけない。
頼られないといけない。

彼女は小学生の時のアンケートでこう答えている。

困った時に誰を頼りますか?

”誰もいない”

彼女は頼られることこそが、自分の存在意義だと
その時から強く思って生きてきた。

image

口癖

だから、TRIGGERのプロジェクトに入った時に、
膨らんでいった想い。

自分がどこで頼られればいいのだろう。

みんな私よりすごくて、色々な意見や自信を持っている。
私なんか本当に必要ないんじゃないか。

頼られることが自分の存在意義になる彼女にとって、
TRIGGERのプロジェクトに抱いたのはそんな危機感だった。

やめることも少し考えた。

しかし、思いとどまることができたのは、
TRIGGERのメンバーが大好きだったからだ。

もっとみんなと一緒の時間を共有したい。
私を必要と思ってもらいたい。

そのためには、やっぱり頼られないといけない。

そんな時に舞い込んだ役割がHP作成だった。
プロジェクトメンバーでHPを作れる人はいなかった。

彼女自身も全くの初心者だった。
それでも、彼女は勇気を振り絞り一番に手を挙げた。

周りができないなら、私がやる。
私がやれば、みんなに頼ってもらえるかもしれない。

そしたら、私はみんなともっと一緒にいれる。
だから、彼女は一生懸命にHP作成に取り掛かる。

彼女は”できない”とすぐに言わない。

「やってみます、頑張ります」
それが彼女の口癖だ。

そして、
それが彼女のプライドなのだ。

image

みんなのお母さんになりたい

最後に彼女はこう語る。

「私にはみんなみたいに立派な大きな夢はない。
でも、なりたい自分がある。

それは、”みんなのお母さんになりたい”ということ。

昔から頼られることに慣れていたから、
気づけば小学校から大学までの全ての環境で、
私を”お母さんみたい”と言ってくれる人が多かった。

お母さんという存在は、その人の心の近くにいる存在。

そう言われるたびに、その人が私を近くに感じているようで
とても嬉しかった。

私がその人の近くにいてもいいんだな、って安心できる。

頼られたい、って思うけど、でもそれは一つの手段。
結局、私は大好きなみんなの側にいたいんです」

HOME←→つづき

この記事を書いた人

宮本 伸男
宮本 伸男ライターであり総監督でもある
人狼が大好きです。
ゲームマスターならお任せください。

この物語をシェアしよう